You and the Night and the Music
僕は3兄弟の真ん中の子供である。
上に姉、下に弟が居る。
僕の家は中流家庭の豊かさがあり、望んだ習い事はだいたいやらせてもらえた。
幼い頃から姉はピアノを、弟はマリンバをそれぞれ習っていた。
そんな中、僕は音楽を習うことを希望しなかった。
今にして思えば、単なる反発心だったが、当時は音楽嫌いを自称していた。
保育園で歌を歌うことも好きじゃなかったし、流行りの音楽も聞いてこなかった。
姉は音楽を素晴らしいものとし、それを理解できないとは可哀想な子、と僕を見下し優越感に浸っていた。
より音楽を嫌いになってゆき、周りの友達と共有できる話題がひとつ少なくなっていった。
だが、音楽自体を聞いて嫌いになったわけではないので、仲の良い友達のお陰でBUMPOFCHICKENを聞くようになる。
そこからは普通に音楽も好きになっていった。
そして高校生になったとき、友達に誘われ、バンドを組むことになる。
そんなに情熱もなかったので、お金がかからなそうなドラムを選んだ。
そこからはめちゃくちゃに音楽にのめり込んでいった。
今では、様々なジャンルの音楽を聞いたり、時には演奏もする。
嫌いだった音楽が、今では人生の一部分になってしまっているので不思議なものだ。
更に不思議なことは、兄弟の中でも当時のバンドメンバーの中でも僕が一番音楽を続けていることだ。
だが、僕が友達の勧めに頑なになり、音楽が本当に嫌いになってしまっていたかもしれない。
意固地になることは損することがあるということを忘れず、これからも生きていきたいものだ。
あと、友達って宝物なんだなっとしみじみ思う。