甲田純正『1日で学び直す哲学』感想
哲学ってなんじゃらホイ。
29年間ずっとこう思っていた。
そしてその疑問を解消しないままだった。
そういう疑問を抱えたまま生きるのってカッコ悪くないか?と思いこの本を手に取ったのだ。
「1日で学び直す」と銘打ってあるが、ある1つの学問を1日で学び直すことは可能なのだろうか。
筆者は哲学の「旨味」を残しつつ、初心者でも読める程度に薄めたもの、と説明している。
事実、哲学家の名前ぐらいしか知らない僕が2、3日で読めるものとなっている。
「人は何故生まれ、そして死んでいくのか?」とか「人間とは地球を破壊する病原菌なのではないか?」みたいな文学的なものが哲学なのだろうと思っていた。
僕が本書を読んで出た結論が「哲学とは屁理屈である」だ。
そして哲学家とは「世界の成り立ちを言葉だけで説明しようとした人たち」と言えるだろう。
「この仮説を使えば、一応この世界のことは説明できますけど?」
みたいな事ばかり言っているのだ。いい歳した大人が。
この世は現代の科学では説明がつかないことがまだまだある。
哲学家たちは「この理論ならすべて説明がつく」と1つ1つ仮説を立てて世界の成り立ちを説明しようとしたのだ。
更に後続の哲学家はある仮説について「その仮説は間違っている」と批判をして、また新たに仮説を立てていっている。
答えは誰も知らない、答えがあることすら解らない。
そんな暗闇の中をひたすら地道に突き進んでいく、それが哲学家なのだと感じた。
だが、この世界はどうなっているのか、という疑問は誰しも一度は考えたことがあるのではないか?
屁理屈とはいえ、大いなる謎に立ち向かう姿は感服するとしか言えない。
この本のお陰でこれから哲学を勉強する気になれた。
でも哲学で腹は膨れないので程々にするつもりだ。