「まったく、最近の若い奴らは…」って言い出したらおじさんの始まり
僕は「ネットコミュ障」である。
「ネットコミュ障」とは僕の造語で、「SNSなどのオンライン上でのコミュニケーションが著しく苦手であり、デジタル世界で孤立してしまう人」を指す。
ネットコミュ障にとって現代は非常に生きにくい。
SNSが現実の人間関係に大きく影響してくる時代は地獄のようだ。
田舎の村社会が嫌で都心に来たというのに、なぜまた世間の目を気にして生きねばならないのか。
なぜそんなにネットでコミュニケーションが取れないのか。それには訳がある。
15、6年前、中学生だった僕は親のパソコンで遊んでいた。
その当時、ゲームといえばブロック崩しやスーパーマリオのパロディ的な横スクロールが大半を占めていた。
そんなゲームに飽きて他のゲームを探していた僕は、ひとつのオンラインゲームに遭遇する。
その名は『エンドレス・バトル』。
何体もあるドット絵の中から好きなものを選び、名前をつけられる。
それが自分のアバターとなり、他のプレイヤーと対戦することによりレベルアップしていく、というものだった。
マウスクリックだけでアクション性は無いが自由度は高く、国家(という名のグループ)を作ったりもできた。
いわば、ゲームのできるSNSである。
中学生の僕は、その『エンドレス・バトル』にいたくハマり、友達を誘ってやりだした。
門限を過ぎているのに友達と遊んでるというなんとも言えない興奮。まさにエンドレス。
『エンドレス・バトル』内のプレイヤーランキングなんてのもあり、他のプレイヤーの名前も知ることができた。
そして『エンドレス・バトル』にはチャット機能がついていて誰とでも会話できたし、ゲームをやっている全員宛、なんて事もできた。
そのチャット機能で悲劇は起こる。
ある日、僕と友達はチャットをしていて、流れは忘れたが、『死ね!!!!!!!!!!!!!!!』という文面を送った。
友達に送るはずだった。
その文面が操作ミスによりなんと、全員宛、になってしまったのだった。
ミスに気が付き全員宛に謝罪するが後の祭り。非難轟々。
個人チャット宛にも何通か批判する声が届いた。
トドメに、ランキング上位のプレイヤーからお説教のような内容が届いた。
その日以来、僕は『エンドレス・バトル』にログインしなくなった。
だが、後日、リアルの友達から衝撃なことを告げられる。
なんと僕にお説教カマしたプレイヤーが僕らより年下だったのだ。
今思えば、ただの操作ミスなんだからそんなに気にすることは無いと思う。
だが当時は艶姿純情BOYな中学生。相当に落ち込んだものだった。
それ以来僕はネットコミュ障となったのだった
そしてここ最近のゲームの多くは、アバターを作り、他のプレイヤーと交流することが前提になっている。
ゲームは好きだ。好きだけど、どうか閉じていた世界でCPUとやらせていてくれ。
ネットコミュ障の受難は続く…。